音楽を聴きながら車を走らせるのが好きだ。
特にウエストコーストロックが好きで、イーグルスやドゥービーズはじつに心地よく
ドライブのお供には最適なのである。
聴いていて開放的な気分になり、ついまどを開けたくなったりなぞする。
やはりこぎゃな音楽は、スカッと晴れたさわやかな日に、海沿いを走りながら聴くのがヨイね、
アー ヨイね、実にヨイね、愛って信じることね。
また雨の日に聴くのもなかなかによろしい。
例えば、雨の月曜日の朝、仕事を休んで街を出るとしよう。
渋滞している対向車線を尻目に悠々と市街地を抜けて行くのだ。
どうだ、気分いいだろ、な? な? な?
そんな時にドゥービーズの「レイニーデイ・クロスロード・ブルース」など流すのだ。
ん〜 ヨイね、すばらしいね、人生ってなんだろうね。
さらに、言わせてもらうならば、ヨイのは、別に明るい昼間に限ったことではない。
シーンと静まり返った夜に流れてくるウエストコーストは実にすがすがしく、
どこまでも突き抜けるようにさわやかで、世の中すべてがウエストコーストになったみたいで、
気分は愛のアロハシャツ。
アー ヨイね、ヨイね、実にすばらしいね、ジャロって何じゃろね。
そんなときパトカーに追いかけられたことがある。
曲の合間に何かが聞こえるのだが、別に気にもせず走っていた。
ふと、ルームミラーに目をやると、な、名、菜、なんと赤いホワン・ホワンが
ついて来ているではないか。
あわててボリュームをしぼったら「前の車、止まりなさい」とデカい声で叫んでいた。
どうやらぼくは検問を無視してしまったらしい。
県境にいたのは道路工事のおんちゃんではなく、この人たちだったのだ。
翌日、ぼくは、宣誓書に署名と押印をすることとなった。
せめて、外の音が聞こえるくらいの音で、音楽は楽しみましょう。
芳 賀
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