気仙沼アマチュア音楽BOX  
Kesennuma Amature Music Box
 投稿コラム 定禅寺ジャズフェスでイキました/情事三浦
最終更新日 2000/9/15
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 ビートラス 仙台定禅寺ジャズフェスティバル 特別レポートコラム
ビートラスの情事三浦さんからいただいた、仙台定禅寺ジャズフェスティバル 初参加のリポートです


武山さんが撮影した写真を、ビートラスのポールから送っていただきました。感謝いたします。
写真をクリックすると大きな画像で見られます。もどるときはブラウザの「もどる」を使ってください。

定禅寺ジャズフェスでイキました

                   ビートラス 情事三浦



 めっぽう朝に強いリンゴ高橋とめっぽう朝に弱いジョン森選手が自宅にお出迎え。
ポール小野寺は一家で応援。オレも家族を連れていきたいが、スケジュールがままならぬ。
それに何度かライブに呼んだことがあるが、さして興味も示さず、
「どうだった?」 「うるさかった。」でおわり。
ポール小野寺やジョン森一家の暖かい応援がうらやましい。
オレが生活感ないって言われるのも、こういうところから来てるのかもしれない。

 眠い目をこすりながら、ジョンのフォルクスワーゲンに3人乗り込み一路仙台へ。
水しぶきをあげながら、雨の高速をとばす。
晴れるだろうかと不安げにオレは空を見上げた。
毎月やってるナイトフェスタも5月からはずっと、雨がらみだ。
しかし、いつもなんとか本番は持ちこたえるというのがパターンなのだが、
これって、運がいいのか悪いのかどっちなんだろう。

 そうこう言いながら仙台到着。
ほーらみろ、雨が上がったぞ。悪運が強いんだな、オレって。
 やってる、やってる。ほんとにストリートで。
よくお店から文句言われないものだなあ。
会場の勾当台公園も結構広くて、われわれの会場は谷風像前。
出番までたっぷり時間があるので、さっそくビールを流し込み、バンドのはしごに出かける。
公演のセンターでは聴いたことのあるメロディーが聞こえてくる。
ビートルズの「オー・ダーリン」だ。なんださっそく同業者か。
「ビートレス」というバンドが後期をコピーしている。うちとはレパートリーがかぶんないが、
なかなかきっちりコピーしていてうまい。

奥の野外ステージでは、外人さんの3ピースバンド。誰の曲だか分からなかったが、
グルーブ感がカッコよかった。
国分町の方に歩いていくと、ブルース系が多く、渋くドブロを滑らせている。
曇り空の町並みに似合っていた。
並木通りではジャズが流れ、これまた初秋の風情にぴったり。
それにしても、こいつらほんとにシロートかよ。
みんなうまいなあ。

 谷風像前に戻ると、「サタンオールスターズ」という世紀魔「のコピーバンドが会場を沸かせていた。
コスチュームも気合いが入っている。彼らは大学生かな。ちょっと太めのデーモンが面白かった。
出番前は「フェイク」というバンドで、ジャパニーズパンクで例のごとくジャンプ、ジャンプ。
若いなあ、クソーっ。
でも、シンプルだけどステージングも演奏もうまい。

 このバンドの演奏中にいつものコスチュームに着替える。
オレとジョン森はは会場でそのまんまズボンを脱ぐ。
パンツ一丁になりながらオレ曰く、
「一流の女優はどこでも着替えられる(?)」

 さすがにビートルズスーツは目立つ。
オレとジョンがギターをもって公園を練り歩くと、振り返られるのが快感となる。
そこで商売人のオレは一考した。
マジックで紙に13時30分谷風像前ビートラスと書いて、もう一度ジョンとプロモーション。
ジョンがリッケンバッカー持ちながら、「ビートルズの完全コピーバンドビートラス、
気仙沼からやってきましたーっ」と叫びながら歩くと、逆に「どこでやってんの?」と聞かれる。
そんなせいもあってか、場所が悪いはずの谷風像前に徐々に人が集まってくる。
しめしめ、作戦成功。

 前のバンドが終わり、セッティングとなったが、なんと入れ替えに20分もあるのだ。
そりゃ他のバンドはおびただしいほどのエフェクターがあるが、オレたちはギターとアンプとシールドだけ。
いつもPAも自前でやってるオレたちにとって、楽器セッティングだけだと、5分もあれば楽勝だ。

 そんなわけで、大幅に時間が余ってしまう。
早くはじめてもいいかとスタッフの人に尋ねると、ダメだというので?しょうがなくMCでつなぎ、
ポールが相変わらず軽やかにインフォメーション。
ジョンもこの日はテンション高くしゃべりまくる。
それでもネタがつきて、今度はメンバー紹介までするが、それでもまだ時間があまり、
ここでスプリンクラーのきいち様登場。
ポール小野寺が「気仙沼出身のひとーっ!手を挙げて」と客をいじっているところに、きいち様ときたら、
「ゆうべセックスした人、手を挙げて」と叫び、会場が固まったところに、また懲りずに
「夕べオナニーしたひとーっ」とまっ昼間から大ひんしゅく。
まるでポール・マッカートニーの上品なMCの脇でバカやってるジョン・レノンのようだ。
「こちとら港町だぞ、さわやかじゃねーぞ、育ち悪いぞ」と反発したくなるのがよく分かる。

オレがイラつきながら、スッタフにまだ?と聞くと「あと20秒」と言うので、
会場の人たちといっしょにカウントダウン。
「10秒前、、、5秒前、、5,4,3,2,、、」
ラララーララランランラーと、やっとこさ1曲目の「フロミー・トゥ・ユウー」が始まったのです。
2曲目は「プリーズ・プリーズ・ミー」といき、有名曲からはじめたせいか、人がどんどん集まってくる。
歩いている人が立ち止まる快感というのがいい。
たぶん他のバンドの倍の曲数は演奏したと思うが、時間ぴったしになんとか終える。

さしてアクシデントもなく、無事演奏を終えほっとしているところに、知り合いがたくさん来てくれて、
とてもうれしかった。よその土地で、地元の人に会うと急に親しくなれるものだ。
応援に来てくれた方々ほんとに感謝です。またいい思い出を作らせてもらった。
たいしてうまくもないのに、人気もんでいられるのも、これもすべてビートルズ様のご加護のおかげだ。

 オレたちが終わって帰ろうとしたところに、雨が落ちてくる。
オレたちにとってはラッキーだったが、その後のバンドは可哀想だった。
あれほどたくさんいた人がいなくなってしまった。
野外イベントでの雨のつらさはバトルライブやナイトフェスタでいやというほど体験してきた。
「またすぐ晴れてくれよな」そう、つぶやいてオレたちは仙台を後にした。

 それにしても、だれがこんなバンドの物産展みたいなことを考えたのだろう。
この大いなる文化祭をやらせる仙台は懐深いぞ。
今回感じたことは、スタッフに若い女の子が多かったこと。
それもみんなミキサーをちゃんとさわって、仕切っている。
そしてバンドがみんなマナーがよかったこと。
時間もきちんと守るし、「お疲れさま」ってちゃんと言ってくれるもの。
それから思ったより、年齢層が高いこと。
もう、ロックもブルースも何歳でもやれるという気にさせてくれた。

 ジェネレーションもジャンルも越えて町全体が音楽一色になるなんて素晴らしい。
オレも亡くなった正俊さんみたいに音楽のすばらしさを、伝えていけたらなあと心の中で手を合わせた。

 こんなイベントに行くと、仙台はいいなあ、なんで気仙沼でできないのだろう、
そう思うものだが、そう思った人が一番先にやればできるのです。
プレイヤーでないスタッフの人たちががテントを設置したり、ドラムセットを運んだり、
寄付もらいに行ったりして、かなりの苦労をしてることだろう。
スタッフのみなさん、あんたら偉い!
日本一の音楽イベントだよ。
オレはなんだか10年前初めてバトルライブをやった時を思い出した。
(あんときは行動力あったなあ)来年は是非、気仙沼ブースを作らせてもらいましょう。
みんなで仙台で気仙沼をアピールしてきましょうよ。泊まりがけでバスツアーとか。

40歳越えて、ムクムクと音楽という男根が勃起するのを抑えられない、情事でした。
ありがとうね、仙台・・・

 

投稿: 情事三浦

2000/9/13






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